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- 婚活でもモテる、一流の会話術。 - 2023.03.14
おはようございます。
連日報道される、森友問題に興味津々です(*´ω`)
今日は、村上春樹の「ノルウェイの森」について語ります(=゚ω゚)ノ
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「ノルウェイの森」主人公のワタナベトオルくんは私の理想の人
村上春樹さんの「ノルウェイの森」は私のバイブル。
もう何回読んだかわからないくらい何回も読みました。
何がそんなに好きかって
主人公のワタナベトオルくんが理想の人だから!
余計なことは言わないで、言葉少なに、でも、ユーモアも交えながら穏やかに話す。
正直で、繊細で、誠実な性格。
こりゃたまらん。
「ノルウェイの森」上
冒頭の回想シーン
冒頭は、僕の回想から始まります。
森の中を僕と直子が歩いているこのシーン。
「ねえワタナベ君、私のこと好き?」
「もちろん」と僕は答えた。
「じゃあ私のおねがいをふたつ聞いてくれる?」
「みっつ聞くよ」
直子は笑って首を振った。「ふたつでいいのよ。ふたつで十分。ひとつはね、あなたがこうして会いに来てくれたことに対して私はすごく感謝してるんだということをわかってほしいの。とても嬉しいし、とても―救われるのよ。もしたとえそう見えなかったとしても、そうなのよ」
「また会いに来るよ」と僕は言った。「もうひとつは?」
「私のことを覚えていてほしいの。私が存在し、こうしてあなたのとなりにいたことをずっと覚えていてくれる?」
「もちろんずっと覚えているよ」と僕は答えた。
「みっつ聞くよ」というこの返し。
この切り返しのユーモアがいい!
これドヤ顔で言ってたら嫌だけど、ワタナベくんが言うと素直にユーモアが伝わってきて心が温まります。
「いつまでも忘れないさ」と僕は言った。「君のことを忘れられるわけがないよ」
*
それでも記憶は確実に遠ざかっていくし、僕はあまりに多くのことを既に忘れてしまった。
「いつまでも忘れないさ」
「君のことを忘れられるわけがないよ」
はぁ、素敵・・・
僕は、直子のことを忘れないために、文章にすることに。
結局のところ―と僕は思う―文章という不完全な容器に盛ることができるのは不完全な記憶や不完全な想いでしかないのだ。そして直子に関する記憶が僕の中で薄らいでいけばいくほど、僕はより深く彼女を理解することができるようになったと思う。
そう考えると僕はたまらなく哀しい。何故なら直子は僕のことを愛してさえいなかったからだ。
僕の唯一の親友「キズキ」が自殺してしまい、傷ついた僕はこう決意します。
東京について寮に入り新しい生活を始めたとき、僕のやるべきことはひとつしかなかった。あらゆる物事を深刻に考えすぎないようにすること、あらゆる物事と自分のあいだにしかるべき距離を置くこと―それだけだった。
ここから、時は大学進学時に戻り、時系列に沿って物語が進んでいきます。
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美しいヒロイン直子との東京での偶然の出会い
大学生になり上京した僕は、自殺してしまった高校時代の親友「キズキ」の彼女であった「直子」と東京で偶然の再会を果たします。
彼女のやせ方はとても自然でもの静かに見えた。まるでどこか狭くて細長い場所にそっと身を隠しているうちに体が勝手に細くなってしまったんだという風だった。そして直子は僕がそれまで考えていたよりずっと綺麗だった。僕はそれについて直子に何か言おうとしたが、どう表現すればいいかわからなかったので結局は何も言わなかった。
僕はそれについて直子に何か言おうとしたが、どう表現すればいいかわからなかったので結局は何も言わなかった。
ココ!
男は女について直接なにかべらべら話すもんじゃない!
うっとうしいからね!
一年ぶりに偶然であった直子は美しくなっていたのでした(*´ω`)
はじめはそんな直子からの働きかけでデートを重ねていきます。
次の土曜日に直子は電話をかけてきて、日曜に我々はデートをした。たぶんデートと呼んでいいのだと思う。それ以外に適当な言葉を思いつけない。
永沢さんは私の中では「山本太郎」
寮で出会った、「永沢さん」は東大の法学部の学生で、リーダーシップと押し出しのいい見てくれを持ち、実家はお金持ちのボンボン。
成績優秀で、外務省試験にも受かって、弁も達者で女にもべらぼうにモテる、みんなから尊敬を集める完璧な人物です。
「ノルウェイの森」で印象的なキャラクターのうちのひとりです。
私の中のイメージでは、若い時の山本太郎(元タレント・現議員)かな。
あの、「アッキード事件」発言の山本太郎ね。
明るい、陽のキャラクターの永沢さん。
僕(ワタナベくん)は、永沢さんの複雑な性格を見通していたけれど、周りの人にはわかりません。
イケメンで自信満々、リーダーシップがあって、成績もいい完璧な人物として映る人物、となると、なんでか山本太郎が浮かぶんですよね~(*´з`)
永沢さんはいくつかの相反する特質をきわめて極端なかたちであわせ持った男だった。彼は時として僕でさえ感動してしまいそうなくらい優しく、それと同時におそろしく底意地がわるかった。びっくりするくらい高貴な精神を持ちあわせていると同時に、どうしようもない俗物だった。人々を率いて楽天的にどんどん前に進んでいきながら、その心は孤独に陰鬱な泥沼の底でのたうっていた。僕はそういう彼の中の背反性を最初からはっきりと感じとっていたし、他の人々にどうしてそういう彼の面が見えないのかさっぱり理解できなかった。この男はこの男なりの地獄を抱えて生きているのだ。
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ワタナベ君のしゃべり方が素敵すぎる
文学部に進んだ僕は、同じ文学部の後輩の緑と出会います。
「『今日はあまり返事したくなかったんだ』」と彼女はくりかえした。「ねえ、あなたってなんだかハンフリー・ボガードみたいなしゃべり方をするのね。クールでタフで」
同感(*´ω`*)
「『とくに好きなわけじゃない。なんだっていいんだよ』」と彼女はまたくりかえした。「私、あなたのしゃべり方すごく好きよ。きれいに壁土を塗ってるみたいで。これまでにそう言われたことある、他の人から?」
ない、と僕は答えた。
ノートの貸し借りをきっかけに、僕は緑の家を訪ねることに。
徐々に緑と距離が近づいていく僕。
「大塚駅の前の水辺でつんできたんだ」と僕は言った。
緑はくすくす笑った。「あなたって本当に変ってるわね。冗談なんか言わないって顔して冗談言うんだもの」
これ。この知的なユーモアのセンスがたまらない!
「でも私あなたと話してるの好きよ。しゃべり方だってすごく変ってるし。『何かにそんな風に縛られるのって好きじゃないんだよ』」
うん、私もワタナベくん大好き~~(*´▽`*)
いろいろあって、急に行方不明になった直子から手紙が届きます。
直子は休学し、京都の施設で療養をはじめたとのこと。
京都にある施設で暮らしているというので、僕は訪ねにいくことに。
そこで、「レイコさん」という直子と相部屋の女性と出会います。
「あなたって何かこう不思議なしゃべり方するわねえ」と彼女は言った。「あの『ライ麦畑』の男の子の真似してるわけじゃないわよね」
「まさか」と僕は言って笑った。
そしてレイコさんにもしゃべり方を指摘されるというw
無事、直子と再会を果たす僕。
ますます美しさを増した直子に、僕は虜になっていきます。
下巻へつづく。
ノルウェイの森(上) (講談社文庫) [ 村上春樹 ] |
「ノルウェイの森」下
ワタナベ君の手紙が素敵すぎる
僕は直子に手紙をよく書き送ります。
あたたかいベッドの中で君のことを考えているのはとても気持ちの良いものです。まるで僕のとなりに君がいて、体を丸めてぐっすり眠っているような気がします。そしてそれがもし本当だったらどんなに素敵だろうと思います。
恋ですねえ。
こんな手紙を書いて、ひとりで静かに孤独な日曜を過ごす僕。
そしてこの先こんな日曜日をいったい何十回、何百回くりかえすことになるのだろうとふと思った。
大学時代、一人暮らしを始めたころ、こういう気持ちになったこと、あるなぁ。
青春時代の切なさとか悩みとか痛みの忘れかけた記憶がみずみずしく書かれていて、はっとさせられるんですよね。
ノルウェイの森、いいわ・・・(*´ω`*)
永沢さんとハツミさんの悲恋
印象的な永沢さんらしい言葉。
「だからね、ときどき俺は世間を見まわして本当にうんざりするんだ。どうしてこいつらは努力というものをしないんだろう、努力もせずに不平ばかり言うんだろうってね」
僕はあきれて永沢さんの顔を眺めた。「僕の目から見れば世の中の人々はずいぶんあくせくと身を粉にして働いているような印象を受けるんですが、僕の見方は間違っているんでしょうか?」
「あれは努力じゃなくてただの労働だ」と永沢さんは簡単に言った。「俺の言う努力というのはそういうのじゃない。努力というのはもっと主体的に目的的になされるもののことだ」
うわーやっぱ山本太郎だー!!(勝手なイメージですw)
永沢さんの彼女の「ハツミさん」は、そんなに美人ではないけれど、心を揺さぶるものを持つ、
「俺にはいささか良すぎる」と永沢さんに言わしめる、素敵な女性であると書かれています。
ハツミさんは―多くの僕の知りあいがそうしたように―人生のある段階が来ると、ふと思いついたみたいに自らの生命を絶った。彼女は永沢さんがドイツに行ってしまった二年後に他の男と結婚し、その二年後に剃刀で手首を切った。
ハツミさんの素直な思いが伝わる言葉。
「でもね、ワタナベ君。私はそんなに頭の良い女じゃないのよ。私はどっちかっていうと馬鹿で古風な女なの。システムとか責任とか、そんなことどうだっていいの。結婚して、好きな人に毎晩抱かれて、子供を産めればそれでいいのよ。それだけなの。私が求めているのはそれだけなのよ」
その気持ちはわかるんだけど・・・
永沢さんでないとダメだったんでしょうね・・・
あまりにも一途なハツミさん。
彼女のイメージは私の高校時代の友人ですw
「山が崩れて海が干上がるくらい可愛い」「春の熊くらい好きだよ」
ノルウェイの森といえば、この名セリフ!
というくらいあまりに有名な、不思議なほめ言葉を放つ、ワタナベ君に注目のシーン。
「すごく可愛いよ、ミドリ」と僕は言いなおした。
「すごくってどれくらい?」
「山が崩れて海が干上がるくらい可愛い」
緑は顔を上げて僕を見た。「あなたって表現がユニークねえ」
「君にそう言われると心が和むね」と僕は笑って言った。
「もっと素敵なこと言って」
「君が大好きだよ、ミドリ」
「どれくらい好き?」
「春の熊くらい好きだよ」
「春の熊?」と緑がまた顔を上げた。「それ何よ、春の熊って?」
「春の野原を君が一人で歩いているとね、向うからビロードみたいな毛なみの目のくりっとした可愛い子熊がやってくるんだ。そして君にこう言うんだよ。『今日は、お嬢さん、僕と一緒に転がりっこしませんか』って言うんだ。そして君と子熊で抱き合ってクローバーの茂った丘の斜面をころころと転がって一日中遊ぶんだ。そういうのって素敵だろ?」
「そういうのって素敵だろ?」
やべえ、最高だ、ワタナベ君!
永沢さんの忠告「自分に同情するな」
寮を出て一人暮らしを始める僕に永沢さんが忠告した言葉。
「自分に同情するな」と彼は言った。「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」
やっぱ山本太郎だ・・・
これ言うでしょ、山本太郎・・・
「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになってしまうくらい好きだ」
でたw
「別に何もないよ」と僕は少し考えてからそう言って首を振った。「何もない」
「本当?」
「君の着るものは何でも好きだし、君のやることも言うことも歩き方も酔払い方も、なんでも好きだよ」
「本当にこのままでいいの?」
「どう変えればいいかわからないから、そのままでいいよ」
「どれくらい私のこと好き?」
「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになってしまうくらい好きだ」と僕は言った。
これなんですよ。
あれこれ自分のことを言ってくる男嫌い!!
そのままでいいよ、ってなんという至上の愛の言葉なんだろうと思う・・・
最高だぜ、ワタナベ君。
一生ついていきます( ;∀;)
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あまりに美しいラストシーン!
直子を喪い、悲しみに暮れた後、僕は立ち直り、緑に電話をかけます。
僕は緑に電話をかけ、君とどうしても話がしたいんだ。話すことがいっぱいある。話さなくちゃいけないことがいっぱいある。世界中に君以外に求めるものは何もない。君と会って話したい。何もかもを君と二人で最初から始めたい、と言った。
緑は長いあいだ電話の向うで黙っていた。まるで世界中の細かい雨が世界中の芝生に降っているようなそんな沈黙がつづいた。僕はそのあいだガラス窓にずっと額を押しつけて目を閉じていた。
美しい・・・
美しすぎるでしょう、このシーン!
素敵すぎてもうため息しか出ない・・・(´Д`)
直子は小悪魔っぽいし、
緑は変わった面白い子だけど、
とにかくワタナベ君が素敵すぎる。
それが「ノルウェイの森」の魅力です。
ノルウェイの森(下) (講談社文庫) [ 村上春樹 ] |
「ノルウェイの森」は、美しすぎる、素晴らしい恋愛小説
自分自身の学生時代と重ね合わせて、共感がすごいというか。
大学時代という不思議な時代とそのときの独特の悩みっていうのはすごくシンクロします。
村上春樹と私の時代の違いすら感じさせない、いつまでも変わらない「大学」という世界。
そしてあまりにも素直にありのままの姿を小説にさらけ出すワタナベ君の痛み、悩み、美しさ。
心洗われ、心癒される、素晴らしい恋愛小説です。
まだ読んだことのない方は、ぜひ!
ではでは~
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